漢方を専門に研究された医師のいる医院・病院。または、漢方専門薬局・薬店の薬剤師に相談することです。
漢方専門の医師、または薬剤師からの説明をよく受け、注意して使えば安全に用いることができます。
しかし最近では、中国でお土産として持ち帰ったり個人輸入などで入手される方も少なくありません。
しかし、こうしたものは厚生労働省の認可を受けていないものなので、万一事故が起こっても個人の責任になります。
そのようなことを避けるためには漢方に詳しい医師・薬剤師と相談の上漢方薬を服用することをお勧め致します。
よくある質問
西洋薬(新薬)は、主に化学的に合成された薬品です。それに対して、漢方薬は植物・動物・鉱物などを自然のままに使用しています。漢方薬と新薬 の違いはこれだけではありません。もっと大きな違いがあります。 病院に行くと検査をします、医師はそのデータを見ながら診断して西洋薬を投与します。漢方薬は、西洋医学による検査データは、必要としません。漢方薬は独 自の理論体系に基づいて病気を診断し、その病気に対して最も適切な処方を考える。
それが漢方薬なのです。したがって、西洋医学的な考え方では漢方薬を処方 することはできません。
漢方薬といえぱ煎じ薬というふうにとらえられていますが、煎じ薬 ばかりではありません。丸剤、散財・液剤、軟膏剤など、実に 多くの剤型があります。現在では、製剤技術の進歩により、エキス剤 が使用されています。
煎じ薬の有効成分を取り出し、これを散剤・顆 粒剤・錠剤・カプセル剤などにしたものです。
いわばインスタントコーヒーやスープのような物で携帯に便利で、お湯に溶かすとほとんど煎じ薬と同様のものとなります。しかし、エキス剤にも欠点があります。処方が固定化していますので病態にあわせて加滅することができません。そこで状況に応じて、煎じ薬とエキ ス剤が使い分られています。
高いか安いかは、難しい問題です。何を基準にするかによりますが、当店では煎じ薬では1日分500円から600円、エキス剤は1日分400円か ら600円、錠剤や丸薬の場合は100円から300円くらいになります。子供の場合は、約半額くらいとお考え下さい。もちろん漢方薬の原料となる生薬に は、高価なものもあるので、それらを使用した場合にはこれ以上となることもあります。
前述したように、漢方と西洋医学では全く考え方が違います。そのため、漢方薬と新薬の併用の問題は現在研究中の課題です。ただ、経験的に言っ て、多くの場合は併用しても問題がないようです。しかし、新薬のなかには強く症状をおさえるものがあリます。また、副作用で新たな症状が現れるものもあり ます。そこで、必ず漢方薬を併用する場合には、診察を受ける漢方の専門医、相談する漢方専門の薬剤師に御相談下さい。
代表的な漢方薬である桂枝湯は、桂枝・芍薬・生姜・大棗・甘草か らなっています。
桂枝は二ッキ、生姜は八百屋で売っているひねしょうが、大棗はナツメ、甘草は食品の使用される天然の甘味料です。つまり、大部分が我々が日常口にしている食品なのです。しかも数千年にわたって経験を積み重ねその安全性が確認されています。
もちろん漢方薬といえども、医薬品ですからかなり強い作用を持った生薬も使用します。しかし、どういう人に使用すれぱ効果があがり、どういう人に使用すれ ぱ悪い結果が生じるかについても十分な研究がなされています。さらに、桂枝湯の様に、普通は単独で生薬を使用することはなく、ほとんどがいくつかの生薬を 組み合せて処方します。
これは作用を強化すると同時に副作用を滅少させるためです。つまり漢方薬の副作用はきわめてまれで、しかもあったとしても軽度でしかありません。一般に漢 方薬の副作用として報告されているのは、漢方薬の副作用ではなく、適応の誤りによるものです。不適応の漢方薬 を服用すれぱ、確かに症状が悪化することがあります。
同じ胃炎でも、よく見ると症状が違いますが、もちろん罹っている人の体質もそれぞれ違います。太っている人・瘻せている人・穏やかな人・怒りっ ぽい人・冷え症の人・暑がりの人など千差万別です。ここに着目するのも漢方の特徴です。ですから、Aさんがある漢方薬を服用して胃炎が治ったからといっ て、Bさんの胃炎も同じ漢方薬で治るとは限りません。ハ Q7.「漢方薬を受けつけない体質」というのはあるでしょうか?結論からいえば、ほとんどありません。
漢方は、病気とその病気をもっている患者さんの体質 にあわせて、漢方薬を処方します。
まさに体質を診る医学でもあるのです。
妊娠中にも、つわりやむくみなど、妊娠中独特の病気があります。 当然、それにあわぜてその病気を治す漢方薬があります。これらはつわりなどの病気を治すと同時に、母体と胎児を安全に生育します。 漢方全体から言えば、下剤や強い発汗剤など、使用が注意されているものがあります。当然専門家ならば心得ているはずです。
妊娠中に漢方薬を服用する場合に は、漢方の専門家に御相談下さい。
軽い力ゼならば、1服の服用で効果があります。従来、漢方薬は長く服まなければ効かないとされてきたのは、相当に慢性化し、あるいは悪化してから漢方薬を服用する場合が多かったからです。急性病は、もちろん漢方薬で急速に改善されます。
しかし慢性病では一定の時間が必要です。どの位で効果があらわれるかは、病気の程度やその人にもよります。専門家なら服用前に一定の目安を言ってくれるはずです。
効果がないと判断がつけば、薬の種類を変更する必要があります。患者さんの状態は毎日、変わっていくものですから、それに合わせて薬を変えていくというこ ともよく行います。効果がよくわからないままに、漫然と同じ漢方薬を長い間飲み続けるようなやり方は、避けた方が賢明です。
漢方薬は昔から服みにくいといわれますが、必ずしもそうではありま せん。子どもによく適応する小建中湯などは、非常に甘く服みやすい薬です。また、不思議なことに、適応しない人には相当に服みにくい漢方薬が、適応する人 にはおいしく感じられます。子どもが服みたがらない場合は、実は親が一生懸命になりすぎていることが多いのです。なんとか服まそう、まずかろうが服まそうと いった気持が子どもにも 伝わり、子どもは懸命に拒否するのです。おやつでも与えるような態度で服ませると結構服んでくれます。どうしても服まない場合には、砂糖や蜂蜜などを加え ることもあります。ジュースやお茶などに溶かして服んでも結構です。
「風邪に効く漢方薬は何?」と聞かれれば「葛根湯」と答える方が多いと思います。しかし、これは日本でしか通じない常識?なのです。ちなみに、本場中国の薬局には「葛根湯」は置いていません。何故でしょうか?
それは、葛根湯の様な古典的な処方は使われる機会が減ってきているからです。
時 代経過とともに多くの風邪を治す新しい漢方薬が次々と生まれてきたからなのです。風邪と言えば葛根湯というのは、大きな間違えです。風邪といっても症状や 体質、風邪の時期等により使う漢方薬が大きく変わります。風邪の時は、漢方の専門家に相談して自分に合った漢方薬を選んでもらいましょう。